javaグラフィクス完全制覇



Javaグラフィクス完全制覇 (標準プログラマーズライブラリ)

Javaグラフィクス完全制覇 (標準プログラマーズライブラリ)

 あらかじめ言っておくと、実はかなりよい本である。パラパラめくってみると、Java独特の奇妙な文法(mainはなぜstaticかなど)についての考察とか、Java特有の用語にそれぞれ簡潔にではあるが説明をつけている。また、タートルグラフィックスについて解説しているのは今のところこの本だけだし、フラクタルや3Dグラフィクスについても丁寧に解説してるなど、初級者が中級にレベルアップを図るための足がかりとして使うには良いだろう。特にCGについては独自のクラスライブラリ(なんとCDではなく巻末ページに掲載されている)が充実しており、幾何学的なCGを書くのならこの本はお勧めである。


 しかし平成14年出版で、swingも記載しているにもかかわらず、ダブルバッファの方法はAWT同様だったり、dispose()を多用してたりするのはどうにも怪しい(あんまりswingを勉強してないようだ、ということ)。独自のクラスライブラリを駆使しまくっているのでパッと見理解しずらい(つまみ食いできない)といった問題点も見られる。つまりこの本は初めから通して読まない限り使いづらそうなのだが、既に10冊以上読んできた私はもう通読するのはいい加減嫌気がさしているのでこの本は使いたくない、という訳だ。


 という、実に勝手な理由だがこの本は頭に来る解説書に分類する。


 もっとリファレンス的に読める中級本はないものか。